日時: 2021年9月12日(日)14:00-16:30
開催方法: オンライン(Zoom)
開催趣旨:
1987年12月に成立した公文書館法は、公文書館に「歴史資料として重要な公文書等についての調査研究を行う専門職員」(第4条第2項)の配置が必要と定めた。当時は専門職員を養成する体制が整っていなかったこともあり、「当分の間」地方公共団体が設置する公文書館には専門職員を置かないことが認められた(附則第2項)。また、2009年6月に公文書等の管理に関する法律が成立した後も、この「当分の間」が続くこととなった。
専門職問題について議論を重ねてきた本学会では、2013年より「日本アーカイブズ学会登録アーキビスト」制度の運用を開始した。また2018年、国立公文書館が「アーキビストの職務基準書」を策定した。2020年には「アーキビスト認証の実施について」(館長決定)に基づく認証申請受付を開始し、アーキビスト認証委員会による審査を経て2021年1月1日、190名をアーキビストとして認証したのである。
そうした中、2021年度から複数の大学院教育課程で認証アーキビスト資格に対応したカリキュラムが提供されるようになった。6月3日には大阪大学アーキビスト養成・アーカイブズ学研究コースと島根大学大学院人間社会科学研究科認証アーキビスト養成プログラムが「認証アーキビスト審査規則」第3条(1)イに定める「大学院修士課程の科目」を提供するものとして、「認証アーキビスト審査細則」第2条に加えられた。
そこで本研究集会では、大阪大学から菅真城氏、島根大学から小林准士氏・清原和之氏をお招きし、コースの設置目的、教育理念、科目の内容、主たる専攻との関係、履修学生の構成あるいは期待や要望、就職先の展望、現時点での課題などについてお話しいただく。もちろん、これらのコースを修めた方々がどのような仕事を選ぶかは現時点では未知数である。制度が整わないなかで様々な場に学びの機会を求め、アーキビストとして経験を積んできた人も多い。そうした多様性がアーカイブズ界にもたらした豊かさを再確認しつつ、本研究集会では、最新の養成コースについて情報を共有し、その可能性や社会にもたらす価値、そして専門教育の今後について活発な意見交換を行いたい。
主催:日本アーカイブズ学会
共催:
JSPS科研20K01421「公的文書の管理・保存におけるアーキビストとジェネラリストの役割に関する比較研究」(研究代表者・髙橋明男(大阪大学))
JSPS科研18K18528「国際化、情報化環境における歴史資料の公共的利活用と管理に関する基礎的研究」(研究代表者・岡崎敦(九州大学))
参加費:無料
プログラム:
(1)開催あいさつ・開催趣旨説明
(2)報告(各30分)
菅 真城氏(大阪大学)
小林 准士氏・清原 和之氏(島根大学)
(3)コメント(各10分)
加藤 聖文氏(人間文化研究機構 国文学研究資料館)
津覇 美那子氏(沖縄県公文書館)
(4)ディスカッション
ファシリテータ:富田 三紗子氏(大磯町郷土資料館)
(5)閉会あいさつ
参加申込み:開催前日までにhttps://forms.gle/zoknJ5BL8LteyWNh6 からお申し込みください。
問い合わせ:日本アーカイブズ学会研究部会 archiveskenkyu2021アットgmail.com
※「アット」を「@」に変換してください。