2015年度アート・ドキュメンテーション学会年次大会
シンポジウム「美術資料情報における大規模化と高度化 ── グローバルなデジタル化戦略と学術的専門研究の接点を問う」および研究発表会・総会のご案内
日時:2015年6月6日(土)、7日(日)
主催:アート・ドキュメンテーション学会(JADS)、国立西洋美術館
後援:記録管理学会、日本アーカイブズ学会、日本ミュージアム・マネージメント学会(50音順)
会場:国立西洋美術館 講堂(企画展示館地下2階)
参加費:(資料代込み)会員1,000円(学生会員500円)、非会員2,000円(学生1,000円)
参加申込みフォーム *2015年6月4日(木)までにお申し込みください。
※本大会は会員・非会員を問わずどなたでも参加できます。
※大会1日目の終了後に懇親会がありますので是非ご参加ください(日時:6月6日、会場:国立西洋美術館「カフェ・すいれん」)。
※会場受付では、学会入会申込みおよび年会費納入の窓口も設置予定です。
シンポジウム趣旨:
わが国の成長戦略の一環として、芸術領域における画像・映像・学術資料等のデジタル保存と活用をめぐる議論が活気づいています。デジタルやアーカイブとい うキーワードが目に入りますが、これにはある種の既視感を覚えざるをえません。例えば本大会の会場館である国立西洋美術館の小企画展「デジタル技術と ミュージアム」(2001年開催)や、文化庁の「文化遺産オンライン」など、過去数年の間さまざまな成果と課題が蓄積されてきましたが、何れも十分活用さ れないまま同趣意の試みが繰り返されているかのようです。一方、国際社会における日本の情報の存在感向上など、グローバル化以前にはあまり意識されなかっ た重要な課題も浮上しています。本シンポジウムはこのような視点から、国際化時代におけるドキュメンテーション活動本来のあり方について、議論を深めるこ とをねらいとするものです。
折しも独立行政法人国立美術館では、美術作品データベースや図書室、アーカイブズの将来について検討するため5館共同でワーキング・グループを立ち上げ、 昨年夏以来、議論を重ねています。背景には、従来の取組みが専門的には高いレベルに達していないという自己批判があります。情報デジタル化の文脈では、と もすると美術館来館者や美術愛好家ら一般利用者のニーズに関心がおかれがちです。それ自体はまったく不当でないとしても、第一線で活躍する文化・芸術分野 のプロフェッショナルには、つよい使命感もあるでしょう。すなわち、美術作品を継承し、歴史的・文化的価値を伝え、社会に還元する仕事です。その使命を実 現するためには、しっかりした議論や展望にもとづいて構築された情報資源が不可欠です。そうした良識ある知見が国際的な情報共有の根幹にあるべきではない でしょうか? 今回は、専門化・高度化という課題と、国際的・グローバル的水準における大規模化の要請を視野に入れつつ、アート・ドキュメンテーションの 本質や今日的課題を追究しましょう。
<大会プログラム>
【第1日】シンポジウムおよび野上紘子記念アート・ドキュメンテーション学会賞・推進賞授賞式
日時:2015年 6月 6日(土) 13:00~17:40(12:30受付開始)
会場:国立西洋美術館 講堂
12:30~ 受付
13:00~16:45 シンポジウム「美術資料情報における大規模化と高度化 ── グローバルなデジタル化戦略と学術的専門研究の接点を問う」
13:00~13:10 挨拶
13:10~13:40 基調講演
馬渕明子(独立行政法人国立美術館理事長/国立西洋美術館長)
13:40~14:10 報告1
川口雅子(独立行政法人国立美術館 国立西洋美術館学芸課情報資料室長)
14:10~14:55 報告2
ヤスパー・アンドリセン(元オランダ国立美術史研究所司書)
14:55~15:25 報告3
田中淳(独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所副所長)/
皿井舞(独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所企画情報部主任研究員)
15:25~15:45 休憩
15:45~16:45 パネル・ディスカッション
17:00~17:40 第9回野上紘子記念アート・ドキュメンテーション学会賞・推進賞授賞式
終了後 懇親会
会場:国立西洋美術館1階「カフェ・すいれん」
【第2日】公募研究発表会および学会総会
日時:2015年 6月 7日(日) 10:00~15:30(9:30受付開始)
会場:国立西洋美術館 講堂
9:30~ 受付
10:00~12:30 公募研究発表会
発表1 田良島哲(東京国立博物館):森鴎外による帝室博物館蔵書調査に関する新知見
発表2 加藤雅久(居住技術研究所):建築物の解体に伴う史的調査・記録方法の標準化の実践的考察
発表3 栗原祐司(東京国立博物館)/新名佐知子(秩父宮記念スポーツ博物館):スポーツ資料保存管理の課題
発表4 丸川雄三(国立民族学博物館):文化遺産オンラインAPIによる収蔵品情報の活用
発表5 上田啓未(合同会社AMANE):資料情報の公開とその利用─MLグッズ製作例─
発表6 研谷紀夫(関西大学):ビュワーアプリケーションを用いた明治期肖像写真の図像学的分析とその課題─昭憲皇太后の「御真影」・「御尊影」と座像の肖像写真を題材として─
14:00~15:30 アート・ドキュメンテーション学会 総会
※プログラムは諸般の事情により変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
変更、追加等については学会ウェブサイト上で告知いたしますので、ご確認ください。