「戦後60年記念学術シンポジウム 戦争の記憶とアーカイブズ学―喪われゆく記憶の再生に向けて―」
(12月17日午前10時~午後5時、於学習院大学、人間文化研究機構国文学研究資料館アーカイブズ研究系共催)
参加者数:120名
報 告
1.安藤正人(国文学研究資料館アーカイブズ研究系)
「趣旨説明」
2.加藤聖文(国文学研究資料館アーカイブズ研究系)
「戦争と支配の記録をめぐる今日的課題─東アジアにおける「歴史認識」の前提─」
3.前川佳遠理(国文学研究資料館アーカイブズ研究系)
「東南アジア占領と残された記録―記憶の記録化と戦後の課題―」
4.金 慶南(韓国国家記録院学術研究士・国文学研究資料館外国人研究員)
「朝鮮における植民地都市に関する記憶の記録化」
5.栗原 純(東京女子大学)
「日本統治期台湾における庶民の記憶」
6.檜山幸夫(中京大学)
「戦争記念碑が語る内地と外地の記憶」
本シンポジウムは、戦後60年を記念し、日本と韓国や中国との間に再燃している歴史問題を解決しアジア太平洋地域の人々と歴史認識を共有するためには、何よりも歴史認識の基礎となる記録の共用化が重要だとの観点から、東アジア全域、さらには東南アジアにまで視野を広げて、アーカイブズ資源の問題を考えようとしたものである。上記の通り、趣旨説明のあと韓国からの報告を含む5本の報告が行なわれた。本シンポジウムは、アーカイブズ学の立場から戦後60年の問題に取り組んだユニークな研究集会として注目され、100人を超す参加者があったほか、朝日新聞文化面と日本経済新聞文化面でもとり上げられるなど、大きな成果があった。