「記録アーカイブズ法制の一層の整備に向けて」
2008年3月1日(土) 於学習院大学(東京都豊島区)
参加者数:60名
仲本和彦(財団法人沖縄県文化振興会 公文書専門員)
「記録をつくる 記録をのこす-日本・アメリカ・沖縄の記録から見えてくるもの-」
浅古弘(早稲田大学大学院法務研究科教授)
「グローバル・スタンダードとしての記録管理法制」
仲本報告は、日米における記録管理の現状を比較して、米国では記録によって統治や市民の権利保障等をすすめ、民主主義を実現するという思想を成熟させ、法律がそれを支える態勢となっていることなどを明らかにした。浅古報告は、国際アーカイブズ評議会の法律問題委員会の活動と「記録資料及び記録に関する立法の諸原則」について解説しながら、今後、日本の司法制度改革が進められる中においてより一層法的コンプライアンスと説明責任が求められ、それに際してはこのようなグローバル・スタンダードを取り入れていかなければならないことを主張した。公文書管理をめぐる大きな変革の中で、法律問題にはじめて着手することとなったが、両報告によって基礎的な理解を得ることができ、また課題の有り様について大きな問題提起をすることとなった。