当会と国文学研究資料館基幹研究の共催で、研究集会が次のように開催されることになりました。
おさそいあわせの上、ご参加くださるようお願いいたします。
日時:2011年1月15日(土) 13:00-17:00
テーマ:「アーカイブズの構造を読み解く-編成・記述論の現在―」
趣旨:
アーカイブズ学の発展の背景には、自らが拠って立つ学問的基礎の確立を志向するアーキビスト達の熱意と議論があった。
アーカイブズに対する社会的関心が高まり、その対象範囲も広がりをみせている今日、
他分野の成果や国際的な議論にも学びつつ、アーカイブズ学の理論・技法をさらに洗練させ体系化させることが求められている。
今回の研究集会は、いつの時代もアーカイブズ学の中心的テーマの一つであった「編成・記述」に関して、
3名の方々に近年の研究成果をご報告いただくとともに、参加者の皆さんと自由闊達な討論を交わす場として企画した。
とりわけ、利用者が資料にアクセスする際の切り口を拡大・充実させるべく、資料作成主体の事業や活動、
すなわち「機能」の分析と記述が重視されるようになった近年の研究動向を踏まえつつ、議論を深めたい。
坂口貴弘氏は、記録の現用段階における管理や分類の手法が非現用記録の編成・記述に大きな影響を与える点に着目し、
今日の記録管理を規定する理論の成立と変容の過程を、20世紀初頭の米国と日本を中心に検討する。
森本祥子氏は、現代の文書管理システムと、組織の改編に対応すべく構想された「シリーズ・システム」とは適合性が高いのではないかという観点から、
日本国内の具体的事例を通じてその可能性と課題を考察する。
柴田知彰氏は、文書群を生み出す出所の組織や機能の構造と、文書の作成・保存状態との関連について、
個別の編成事例の基軸となるべき理論モデルの構築を試みる。
3本の報告はいずれも、いかなる時代・組織の資料を扱うアーキビストにとっても考慮すべき中核的な論点を提起するものとなろう。
研究集会では、編成・記述論をめぐる最先端の成果について、この問題に関心を寄せる参加者の方々と議論を深めるとともに、今後の研究の実践方向性を展望したい。
報告:
・坂口貴弘(学習院大学大学院アーカイブズ学専攻)
「文書管理の近代的展開:日米における分類論を中心に」
・森本祥子(学習院大学大学院アーカイブズ学専攻)
「オーストラリア・シリーズ・システムの可能性について」
・柴田知彰(秋田県公文書館)
「資料群の構造分析の課題―内的秩序の構成理論に基づく整理から―」
会場:国文学研究資料館大会議室
多摩モノレール「高松駅」から徒歩7分、「JR立川駅」から徒歩25分
http://www.nijl.ac.jp/~koen/tizu.htm
参加申し込み不要