日本アーカイブズ学会は、2004年4月の設立大会に集った参加者の総意によって発足しました。設立の趣旨と目的については、設立時に制定された「会則」の前文が次のように述べています。
私たちは、日本のみならず世界に遺されたアーカイブズ、そして将来のアーカイブズとなる記録の生成、保存及び活用についての理論と技法を研究し、実践するため、この学会を創設することとした。
アーカイブズは、団体、家及び個人が作成し、収受し、保存されてきた記録からなり、手書きや印刷された紙媒体のもの、電磁的記録のもの、そしてオーラルヒストリーなどからなっている。
このアーカイブズに関する科学的研究は、(1)アーカイブズの管理に関する研究、(2)アーカイブズの成立・構造・伝来などに関する研究、(3)アーカイブズの教育・普及に関する研究などから構成されており、歴史学、社会学、情報学など既存の様々な学問分野の学理と連携しつつ、独自な領域をもつものである。この科学的研究は、アーカイブズの保存及び関連する諸課題の解決に資するという役割を担うものでもある。
また、この科学的研究と同時に、アーカイブズの保存及び関連する諸課題に対する実践を、このアーカイブズの科学的研究に関わるものは求められている。
アーカイブズに関する科学的研究と実践を担うものとしてアーカイブズ学を構築し、アーカイブズの適切な生成、保存、活用による平和で豊かな民主社会の実現に資するため、この会則を制定する。